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untitled-平山 豊嗣

カラン、扉が開く音。

そこには、いつもの笑顔、満点の。

「久しぶり!元気そうだね」

「あなたこそ、変わらないね」

彼女とは、1,300km の遠距離恋愛。

半年に1、2回くらいしか逢えないけれど、

逢うときはいつもの喫茶店、いつものコーヒー。

毎週手紙のやりとりもしてるし、電話でも

話すし、お互いの近況は良く分かってる。

コーヒーの湯気と香りの向うに彼女の笑顔が

あるだけで、胸いっぱい、幸せいっぱい。

でも、時間はあっという間に過ぎて、、

帰りはいつも「このまま時間が止まればいいのに」

って、号泣されて、、

 

そんな楽しい・寂しい、時間を 2 年過ごして

やっと彼女にプロポーズできたのも、

いつもの喫茶店、いつものコーヒーの香りの中でした。

あれから 25 年。妻は今でもそばで微笑んでいます。

思い出すと、胸がキュッと締め付けられるような。。

コーヒーにはそんな想い出があります。

 

平山 豊嗣

なんと素敵な恋愛結婚なのでしょう。 その後の 25 年間も、ずっとコーヒーがお二人の間にはあったのでしょうね。

 

藤原 智美 ( 第 107 回芥川賞受賞作家)

フクオカコーヒーフェスティバル実行委員会

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